ミニ新幹線について 戻る
(01年9月20日作成・04年6月5日書き直し)
山形新幹線はミニ新幹線である。福島〜山形〜新庄の在来線走行区間における「つばさ」号の最高速度は130キロだが、急曲線などによる速度制限が多いため、走行速度は130キロに達していないことがとても多い。特に、福島〜米沢の山越え区間はずっと低速で走る。
このようにミニ新幹線は低速で走っているため、「線形を改善すべきだった」という意見もある。しかし今から線形を改良するのは難しい。それならば振子車両の導入による速達化を考えてみたらどうだろうか。
ミニ新幹線区間の軌道は強化されており、また信号システムもATS‐Pで、列車位置検知により振子の制御が可能である。このように、地上については、振子導入の条件は基本的に揃っている。必要なのはポイントの改良である。
車両側でも問題は無い。ミニ新幹線の車両は(軌間が1435ミリであること以外は)在来線の車両と変わらないから、新幹線区間で振子を(固定して)使わないでおけば、やっていることは在来線の振子車両と全く同じであって、技術的なハードルは無い。むしろ、軌間が広い分だけ脱線の危険性が小さいので、従来の振子車両よりも車体傾斜角度を大きくすることができ、曲線通過速度をかなり高められるはずである。
そもそもミニ新幹線は240キロ以上で走れる高出力モーターをもつ車両であるから、もったいないほどの登攀性能(坂を登る性能)がある。だから振子を導入して、ポイントさえ改良すれば、山越え区間でも連続して高速走行することが可能にある。また、平坦区間は連続して130キロで走れるようになるだろう。
デメリットとしては、メンテナンスのコストがあがること。それから、車内が狭苦しくなることがあるが、在来線の振子車両と同じ条件だから、ダメというほどの問題ではない。
ミニ新幹線区間は、既存の振子特急が走る他の区間と同様に、旅客需要が大きく、スピードアップの必要性も高い。だから振子車両のメンテナンスのわずらわしさというデメリットより、振子導入による速達化のメリットの方が大きい。
この件についてネット上で「東京〜山形では現状でも「つばさ」号がダントツに速いので、スピードアップしても、振子導入にかかる高額の費用をペイできるほどの増収にはならない。ゆえに振子を導入すべきではない」というご意見をいただいたことがある。
なるほどこの見解にも一理ある。が、しかし「つばさ」号の利用客は東京〜山形の客だけではない。たとえば東京〜新庄(・庄内地方)では空路との競合があるし、郡山〜山形などの途中駅間相互利用の場合にはクルマとの速度差はそれほど大きくないため、スピードアップにより競争力をつけるメリットは大きい。また「つばさ」号が速くて便利になれば山形県内(ミニ新幹線区間)のみの移動にも「つばさ」号を使ってもらえる。 このように考えるとスピードアップの必要性はやはりある。振子車両の導入コストについてはよくよく検討しなければならないが、もし正規の振子車両でペイできないならば、比較的費用のかからない「簡易振子」を導入して速達化を図ることも考えられる。
それから、全く別の話になるが、下り「つばさ」号の乗客は、米沢〜山形の各停車駅で少しずつ降りていく。山形〜新庄も同様である。つまり、進むにつれて輸送力に余裕ができる。この輸送力のゆとりを無駄無く使うために、山形県内のみの利用客を集めることが考えられる。 そこで「つばさ」号の普通車自由席を利用する往復割引切符を山形県内の各区間に設定してはどうだろうか。「つばさ」号の表定速度は現状でも80キロを超えており結構速いので、山形〜米沢を中心としてビジネス客等の都市間利用を期待できる。同区間は、普通列車ではクルマに対抗できるとは思われないので、「つばさ」号を活用して地域内の交通を活性化すると良いと思う。